おうれん (黄連) 

学名  Coptis japonica
日本名  オウレン
科名(日本名)  キンポウゲ科
  日本語別名  カクマグサ、ヤマクサ
漢名  日本黃連(ニホンコウレン,rìbĕn huánglián)
科名(漢名)  毛茛(モウコン,máogèn)科
  漢語別名  
英名  
 2006/03/04 薬用植物園
       両性花と雄性花
          両性花

2006/03/26 同上   

2006/04/15 同上

 オウレン Coptis japonica(日本黃連) には、葉の形により次の三変種を区別する。

  キクバオウレン var. anemonifolia 根生葉は1回3出複葉 北海道(道南)・本州(兵庫以東)産
  セリバオウレン var. major(C.japonica var.dissecta)
 根生葉は2回3出複葉 本州・四国産
  コセリバオウレン var. japonica
 根生葉は3~4回3出複葉 本州・四国産
   
 オウレン属 Coptis(黃連 huánglián 屬)には、北半球に約15種がある。

  トウオウレン
(シナオウレン) C. chinensis (黃連・味連) 
         
陝西・兩湖・四川・貴州産 『中国本草図録』Ⅵ/2588
         『中薬志Ⅰ』pp.457-464 『全国中草葯匯編』上/757-759
    var. brevisepala (土黃連・短萼黃連)
         
安徽・浙江・福建・兩廣産 
  C. deltoidea (三角葉黃連・雅連・峨眉連)
 四川産 『中国本草図録』Ⅵ/2589
  オウレン C. japonica(日本黃連)
葉の形により次の三変種を区別する
  キタヤマオウレン C. kitayamensis
福井・岐阜・滋賀・京都に産 
  ウスギオウレン C. lutescens
本州中部産 
  ヒュウガオウレン C. minamitaniana
宮崎・鹿児島産 
  ミンゲツオウレン C. morii(眠月黃連)
臺灣産
  C. omeiensis (C.chinensis var.omeiensis;峨嵋野連・鳳尾連・岩黃連)
        
四川産 『中薬志Ⅰ』pp.457-464、『中国本草図録』Ⅵ/2590
  バイカオウレン
(ゴカヨウオウレン) C. quinquefolia(五葉黃連)
  C. quinquesecta(五裂黃連)
雲南産
  オオゴカヨウオウレン C. ramosa(C.quinquefolia var.ramosa, C.quinquefolia
         var.pedatoquintuefolia)
屋久島産
  C. teeta(C.teetoides;雲南黃連)
雲南・チベット産
  C. teetoides(C.teeta;雲南黃連・雲連) 雲南産 『中薬志Ⅰ』pp.457-464
  ミツバオウレン C. trifolia(三葉黃連)
  ミツバノバイカオウレン C. trifoliolata
本州(中部・北部の日本海側)産 
   
 キンポウゲ科 Ranunculaceae(毛茛 máogèn 科)の植物については、キンポウゲ科を見よ。
 漢名黃連は、「其の根 珠を連ね、色は黃、故に名づく」と(李時珍『本草綱目』)
 和名オウレンは 黄連の音読み。ただし、漢名を黃連(コウレン,huánglián)というものはシナオウレン C. chinensis。
 『本草和名』及び『倭名類聚抄』黄連に、「和名加久末久佐」と。
 『延喜式』黄連に、「カクマクサ」と。
 小野蘭山『本草綱目啓蒙』9 に、「ヤマクサ
延喜式 カクマクサ和名鈔 今ハ通名」と。
 今日のカクマ・カグマについては、リョウメンシダを見よ。
 属名は、ギリシア語の「切る koptein」により、葉が細かく切れ込むことから。
 本州・四国の山地に、稀に自生する。
 主にセリバオウレンが、薬用に栽培されている。
 中国では、トウオウレン及び近縁植物の根茎を黃連(コウレン,huánglián)と呼び、薬用にする(〇印は正品)。  『全国中草葯匯編』上/757-759

 〇トウオウレン(シナオウレン) C. chinensis (黃連・味連)
    var. brevisepala (土黃連・短萼黃連)
  C. deltoidea (三角葉黃連・雅連・峨眉家連)
  
C. omeiensis (C.chinensis var.omeiensis;峨嵋野連・鳳尾連・岩黃連)
  C. quinquesecta(五裂黃連)
  C. teeta(C.teetoides;雲南黃連・雲連)
   
 日本では、生薬オウレン(黄連)は オウレン、トウオウレン、Coptis deltoidea 又は Coptis teeta の、根をほとんど除いた根茎である(第十八改正日本薬局方)。
 『花壇地錦抄』(1695)巻四・五「草花 春之部」に、「黄蓮 初。花白、小りん。葉もこまかなり。根ハ薬のわうれん也」と。


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